モーン茶屋

サイト、世界

アドレスがネットの海における住所を示すものであれば。個人サイトは紛れもなく、かつての村落のような完結した1つの世界である。
サイトのコンセプト、デザイン、ギミック、コンテンツ。
これらすべてが合わさって個人の価値観が表される場として存在していた。
他の世界へは、関所であるLINKからのみ飛んで行くものであった。

六次の隔たり。友達の友達……を介して世界中の人間と繋がろうとする場、SNS。
この新しい場の登場により、かつての村落は個人となり、都市たるSNSに集う。
そこではネットの社会の中で、個人がいかに自身の立場を確立するかが問われる。
村一番の力持ちはそれだけで村において意義のある立場であった。
村の知恵ある老人はそれだけで意義のある立場であった。
しかしそれが都市に出た途端、たくさんの力持ちに出会う、たくさんの識者に出会う。
自身の存在がゆらぐ。

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by karlmohya